まず探すのは、ワシではなくカラスです。 不自然に集まって騒いでいる場所を見つけたら、その近くのいちばん高い枝を見上げる——これが、ハクトウワシ(Bald Eagle/バルドイーグル)を探すときのいちばんの近道でした。この記事では、イースト・スーク地域公園を軸にした3つの歩き方見つけるための具体的な手がかり秋の猛禽の渡りの時期冬に数を見たいときの行き先をご案内します。体力に自信がない方でも歩けるコースから、丸一日かかる本格的なコースまで含めています。

歩いて探すなら、イースト・スーク地域公園

ビクトリアの西、車で1時間ほどのところにあるイースト・スーク地域公園(East Sooke Regional Park)です。

キャピタル地域圏(CRD)の公園紹介では、アンダーソン・コーブ(Anderson Cove)で見られる生きものとしてハクトウワシ・ヒメコンドル(turkey vulture)・アカオノスリ(red-tailed hawk)が挙げられています。「運がよければ」ではなく、公園の案内に猛禽が並んでいる場所です。しかも、このアンダーソン・コーブが3つの入口のうち唯一バスで行ける場所です。

項目内容
面積1,474ヘクタール
開園1970年
入口エイラード・ファーム/アンダーソン・コーブ/パイク・ロードの3か所
リードにつなぐか、制御下に置く。ふんは持ち帰る

入口によって設備が違います。エイラード・ファーム(Aylard Farm)にはアクセシブルなトイレとピクニックシェルターがあり、アンダーソン・コーブ(Anderson Cove)は公共交通機関で行けます。パイク・ロード(Pike Road)にはバス便もアクセシブルな駐車区画もありません。

バスで向かう場合は、便数が多くない点にご注意ください。 ダウンタウンから離れた郊外の路線です。行きだけでなく帰りの時刻を先に調べ、暗くなる前に戻れる計画にしてください。最新の時刻はBC Transitの公式情報でご確認ください。エイラード・ファームとパイク・ロードは、車で向かうのが基本とお考えください。

イースト・スーク地域公園の海沿いのトレイルを歩く

体力に合わせて選べる3つの歩き方

コース目安難易度向いている方
パイク・ロード → アイアン・マイン・ベイ片道約20分初級体力に自信がない方、小さなお子さん連れ
クレイケ・ポイント〜ビーチー・ヘッド約2時間の周回中級展望と見どころを一度に楽しみたい方
コースト・トレイル10キロ・6時間以上上級一日かけて海岸線を歩きたい方

上の3つは、同じ公園の中とは思えないほど性格が違います。 特にコースト・トレイルは、散策のつもりで入る場所ではありません。

コースト・トレイルへ入る前に

コース別の歩き方と、ワシの狙いどころ

初級:パイク・ロードからアイアン・マイン・ベイへ

平坦な林道を20分ほど歩くだけで、静かなビーチにたどり着きます。CRDの説明では、パイク・ロード・トレイルはかつての伐採用道路で、砂利敷きの滑らかな路面、勾配は6%未満です。

アイアン・マイン・ベイ付近のコースから眺める岩場と海

アイアン・マイン・ベイ(Iron Mine Bay)で狙うのは、海面を見下ろす高い木々です。てっぺんに静かに留まっていることがあります。

中級:クレイケ・ポイントからビーチー・ヘッドへ

エイラード・ファームから入る約2時間の周回です。歩きやすい道で、展望台からの眺めと、アルドリッジ・ポイント(Alldridge Point)の岩面彫刻を無理なく回れます。岩面彫刻はコースト・セイリッシュの人々が残した文化遺産ですので、触れずに、静かに見るのが基本です。

この一帯が、公園のなかでもっともワシに会いやすいと感じています。 ビーチー・ヘッド(Beechey Head)の周辺は、沖合で海流がぶつかって魚が集まるため、満潮のときでも期待が持てます。崖の上から海面を見下ろしていると、ワシが急降下して魚を捕らえる瞬間に出会えることがあります。

トレイルから見下ろすイースト・スークの入り江。小石の浜と岩礁、奥に針葉樹の岬が続く

上級:コースト・トレイル

10キロ、6時間以上を見込むコースです。CRDは「入り江や小さな浜、潮だまりが続く」と紹介していますが、路面は荒く、曲がりくねっています。体力のある方や経験者でも歯ごたえのある行程です。

サルオガセの垂れ下がるアルビュタスの枝越しに見えるイースト・スークの海と、水面から突き出た岩

手つかずの断崖が続くので、巣や縄張りのある区間を通ります。海に突き出た岬の先端で、いちばん高くて見晴らしのよい木のてっぺんを確認してみてください。干潮になると岩礁が姿を現し、その上で羽を休めたり獲物を食べたりしている個体を見かけることがあります。

装備と行動時間の考え方は、クマ・クーガーとの遭遇に備える安全ガイド段階的に揃えるハイキング装備ガイドをあわせてご確認ください。

まず探すのは、ワシではなくカラス

闇雲に空を見上げても、なかなか見つかりません。順番があります。

針葉樹の梢にとまるハクトウワシ。青空を背景に白い頭が見える

探しているのは、この姿です。 梢の先に、白い頭だけが動かずに乗っているように見えます。

場所ごとに狙いどころが違います。

場所狙いどころ
アイアン・マイン・ベイ海面を見下ろす高い木のてっぺん干潮がよい
クレイケ・ポイント〜ビーチー・ヘッド崖の上から海面を見下ろす満潮でも期待できる
コースト・トレイル岬の先端の高い木、干潮時に現れる岩礁の上干潮がよい

秋——ビーチー・ヘッドは猛禽の渡りの名所

9月中旬から10月下旬にかけて、猛禽の渡りがこの一帯を通ります。 ビーチー・ヘッドを見下ろす観察地点は、その様子を見る場所として知られており、ハクトウワシを含めて最大8種の猛禽が記録されることがあります。

CRD地域公園は、この時期に「ホーク・ウォッチ(Hawk Watch)」という参加自由の観察イベントを毎年開いています。集合はエイラード・ファーム駐車場の案内板前で、ピクニックシェルターでの解説は年齢や身体の状況を問わず参加できる内容です。ビーチー・ヘッドの展望地点まで歩く回もあり、そちらはしっかりした靴と、双眼鏡・水・昼食が必要です。

開催日は年によって変わります。 お出かけ前に、CRDのイベントページで今年の日程をご確認ください。

冬に「数」を見たいならゴールドストリーム

イースト・スークは一年を通じてワシを探せる場所ですが、数の多さで言えば冬のゴールドストリーム州立公園にはかないません。

BC Parks(ブリティッシュコロンビア州立公園)によれば、河口を立ち入り禁止にしたことで、鮭の死骸を食べに集まるワシは年間で最も多い時期の12羽から、200羽を超えるまでに増えました。観察はビジターセンター近くの観察デッキから行います。河口と川沿いの静穏区域は、野生動物のために通年で立ち入りが禁止されています。

海の上から見るという選択肢

歩く話から少し離れますが、船の上からもよく見えます。

私はビクトリア発のホエールウォッチングツアーに参加したとき、ボートの上からハクトウワシを撮影しました。その場所が、まさにイースト・スーク地域公園の海岸線でした。 陸から歩いて見上げる姿と、海側から岩場を眺める姿では、印象がずいぶん違います。

出かける前に

  • 干潮の時刻を調べておく。 アイアン・マイン・ベイとコースト・トレイルは、潮が引いているほうが期待できます
  • 入口を決めてから出発する。 3か所の入口は離れており、設備も交通の便も違います
  • 犬はリードにつなぐ。 野生動物の多い公園です
  • 冬から早春の路面は未確認です。 私自身がこの公園を歩いたのは初夏から秋にかけてで、冬季の状況は把握できていません。その時期に行かれる場合は、CRDの公園ページで最新の状況をご確認ください

まとめ

  • イースト・スーク地域公園は、CRDの公式紹介にハクトウワシが挙げられている場所。1,474ヘクタール、入口は3か所
  • 初級はパイク・ロードからアイアン・マイン・ベイへ片道20分中級はクレイケ・ポイント〜ビーチー・ヘッドの約2時間の周回。上級はコースト・トレイル10キロ・6時間以上
  • 探し方は、カラスの騒ぎ → いちばん高い枝のてっぺん干潮昼前から午後が動きの出る時間
  • コースト・トレイルは散策コースではない。 秋冬は午前の早い時間に出発しないと明るいうちに戻れない
  • 9月中旬〜10月下旬は猛禽の渡りの時期。CRDがホーク・ウォッチを毎年開催(日程は要確認
  • 数を見るなら冬のゴールドストリーム。 立ち入り禁止によって200羽超まで回復した

歩きながら空を見上げる時間そのものが、この公園の楽しみです。双眼鏡がなくても、カラスの声を手がかりにすれば十分に探せます。

あわせて読みたい