カナダのワーキングホリデーは、申し込めば誰でも行ける制度ではありません。 プールに登録して招待を待ち、招待されてから期限内に申請する——という段階を踏みます。しかも各段階に10日、20日、30日といった期限があります。

この記事では、日本国籍の方に向けて、参加条件・費用・申請から入国までの流れを、IRCC(カナダ移民局)の公式情報をもとに整理しました。私自身、2001年にワーホリでカナダに渡り、ビクトリアで暮らしました。 その時の体験もあわせてご紹介します。

制度の内容は2026年9月16日時点で確認したものです。変更されることがあるため、最新はIRCC公式サイトでご確認ください。

ワーキングホリデー(IEC)とは

カナダのワーキングホリデーは、International Experience Canada(IEC) という制度の一部です。IECには3つのカテゴリーがありますが、日本国籍の方が申し込めるのは「Working Holiday」だけです。

取得できるのはオープンワークパーミット。特定の雇用主に縛られず、カフェでもホテルでも働けます。IRCCは、多くの参加者がレストラン・パブ・ホテルなどの観光・ホスピタリティ業界で仕事を見つけていると説明しています。

期間は1回あたり最長12か月です。そして2025年4月1日から、日本国籍の方は2回まで参加できるようになりました。 それ以前は1回きりでした。2回目までの待機期間を課されている国もありますが、日本は対象外です。

  • 2025年4月1日より前に申請して1回目に参加した方も、2回目に応募できます。
  • 1つのシーズンに取得できる許可は1つだけです。2回目は、別のシーズンで改めて応募することになります。
  • 2回目も、年齢などの参加条件は1回目と同じです。

日本国籍者の参加条件

IRCCが示す条件は次のとおりです。

条件内容
年齢18歳から30歳まで(30歳を含む)
パスポート滞在期間をカバーする有効な日本のパスポート
居住申請時に日本に住んでいること
資金2,500カナダドル以上
保険滞在期間全体をカバーする健康保険
帰りの手段復路の航空券、または購入できる資金
同伴扶養家族を同伴しないこと

年齢の条件には、「いつの時点で30歳以下なら間に合うのか」という大事な論点があります。これはワーホリの年齢制限と申込みのベストタイミングで詳しく解説しています。

費用はいくらかかるか

ビザ(就労許可)の取得にかかる費用は、合計369.75カナダドルです。

項目金額
IEC参加費(2026シーズン)184.75カナダドル
オープンワークパーミット保持者手数料100カナダドル
生体認証(指紋・写真)85カナダドル
合計369.75カナダドル

プールへのプロフィール提出そのものは無料です。 費用が発生するのは、招待を受けて就労許可を申請する段階からです。

このほかに、航空券・海外保険・当面の生活費がかかります。全体の資金計画はビクトリア留学の費用相場にまとめています。

機内の窓から見下ろす雲と海

申請から入国までの流れ

各段階に期限があり、過ぎると振り出しに戻ります。 手順と期限を一覧にしました。

段階やること期限
① 質問票IRCCのオンラインアカウントで適格性を確認(約10分)
② プロフィール作成して提出する作成開始から60日以内
③ 招待を待つプールから定期的に招待(ITA)が出る
④ 招待を受諾アカウント上で受諾する招待から10日以内
⑤ 就労許可を申請書類をアップロードし、手数料を払う受諾から20日以内
⑥ 生体認証指定の場所で指紋と写真を提供案内から30日以内
⑦ 審査承認されると入国用のレターが届く処理時間は約6週間(2026シーズン)

⑤の申請期限は、UTC(協定世界時)で表示されます。 IRCCは「7:25 a.m. UTCに受諾したら、20日後の7:25 a.m. UTCまで」と例を挙げています。

日本時間はUTCより9時間進んでいます。締め切りは、日本時間で「招待を受諾した時刻」と同じ時刻です。たとえば日本時間の夜9時に受諾したら、20日後の夜9時が締め切りになります。ただし画面の表示はUTCなので、受諾した時刻によっては、表示上の日付が日本の日付より1日前に見えます。 表示の日付をそのまま信じて最終日に作業すると、間に合わないことがあります。

期限当日の提出は避け、遅くとも前日までに済ませてください。 ④の受諾期限は招待に記載されているので、届いたらすぐに日付と時刻を確認しましょう。

⑤で必要な書類は、申請フォームを埋めるとあなた専用のチェックリストとして表示されます。警察証明や健康診断が期限に間に合わない場合は、申し込んだことの証明を出せば申請できます。

招待を受けてから申請までの20日は、書類を集め始めると余裕がありません。招待を待っている間に、パスポートや証明書類をそろえておくと落ち着いて進められます。

承認されてから入国するまで

承認されると、POEレター(入国地で提示する紹介状)がアカウントに届きます。これはまだ就労許可ではありません。 就労許可は、カナダに到着した空港で国境サービス官が発給します。

入国時には、次の書類の提示を求められることがあります。

  • パスポート
  • POEレター
  • 健康保険の証明
  • 資金の証明(出発前1週間以内に発行された残高証明で、2,500カナダドル相当)
  • 復路の航空券、または購入できる資金の証明

日本はビザ免除国のため、入国には通常eTA(電子渡航認証)が必要です。就労許可が承認されると、eTAは自動で発給されます。 搭乗の際は、申請に使ったパスポートを使ってください。

ここが、ワーホリの手続きでいちばん取り返しのつかない注意点です。 海外保険の加入期間を短めにすると、就労許可そのものが短くなります。

保険は、滞在予定の全期間をカバーするように掛けてください。 取り返しがつかないのは、この点です。

到着してから働き始めるまで

カナダで働くには、SIN(社会保険番号)が必要です。申請先はService Canada(カナダ政府)で、手数料はかかりません。

  • 申請方法はオンライン・郵送・窓口の3通り
  • オンラインは約5営業日でオンライン上に確認書が出ます(郵送だと約20営業日)
  • Service Canadaの窓口(Service Canada Centre)で申請すると、書類がそろっていればその場でSINを受け取れます。 必要なのは就労許可とパスポートの原本。予約はオンラインの申請フォームから依頼できます
  • 申請した時点から働き始められます。 番号が届くのを待つ必要はありません
  • 一時滞在者のSINは「9」から始まり、就労許可と同じ日に期限が切れます
  • プラスチックのSINカードは現在発行されていません

並木の続くジェームズ・ベイの住宅街

私がワーホリで来た時は、SINの申請も住まい探しも、すべて窓口と紙の時代でした。

これは25年前の話です。 SINの申請はオンラインが中心になり、ビクトリアの家賃も当時とは比べものになりません。いまの住まいの相場はビクトリア留学の費用相場でご確認ください。

2001年6月、ビクトリアで借りたアパートの窓から見た夕日

まとめ

  • 日本国籍の方が申し込めるのはIECの「Working Holiday」1回最長12か月、2回まで参加できる(2025年4月1日〜)
  • 条件は18〜30歳2,500カナダドル以上の資金滞在全期間の健康保険など
  • 費用は合計369.75カナダドル。プロフィールの提出は無料
  • 期限はプロフィール60日/招待の受諾10日/申請20日/生体認証30日。申請期限はUTC表示なので、前日までに提出
  • 就労許可は入国時に空港で発給される。保険の期間が短いと就労許可も短くなり、延長できない(いちばんの注意点)
  • 働くにはSINが必要。申請した時点から働き始められ、窓口なら書類がそろえばその場で受け取れる

手順は多く見えますが、一つずつ期限を守れば難しいものではありません。最新の条件は、申請前にIRCC公式サイトで確認してください。

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